新築分譲時から、30年お住まいになっているマンション。ライフスタイルが変化されたこともあり、経年で古くなってきた住宅設備の一新と、日々の暮らしの中で気になっていた点を改善されたリノベーションの実例です。
「間取り・動線・収納」の細部まで、これからの暮らしをもっと素敵に、心地よく送るための工夫が満載です。
お施主様の率直な想いが込められたお声もぜひご一読ください。
リフォームのポイント
①【間取りの改善― 大胆に!リビングとキッチンの一体化】
以前のキッチンは、リビングと対面はしているものの、部屋として別立てになっている間取りでした。さらにキッチンからリビングへ行く際にはドアを挟んでいたので、動線には不便を感じられていたお施主様。夏場や冬場には、リビングの適度な室温がキッチンまで届きにくく、温度差も気になる環境でした。キッチンの本体設備は既にリフォームされていたので、設備はそのまま生かし、間取りを大胆に変更!ダイング・リビングとつながりながらも、スペースを有効に活用できる、使い勝手の良いキッチン空間に生まれ変わりました。
また、浴室はゆったり過ごせるようスペースを広げました。
②【マンションも暖かく― 断熱方法】
外壁に面する壁には、コンクリ―トの壁の内側から断熱性能を持つボードを貼っています。熱の出入りが大きい窓は、共有部分に関わるため手を付けられません。そのため、内窓を取り付けて断熱気密性能を高めます。玄関のある北側のお部屋には、エアコンの室外機を置ける場所がないのでエアコンを設置できません。そのため、北側面に断熱ボードを施工するだけではなく、玄関・シューズルームとお部屋の間の壁にも充填断熱を施し、断熱性能を高めています。また、玄関・シューズルームから廊下やお部屋に入る部分には、内部用の断熱サッシを付けて、室内側の快適な室温を逃がさないようにしています。
③【アンティークの調度品が似合うデザイン】
お住まいというより、非日常的な贅沢空間に訪れたかと錯覚するようなデザインコーディネートにうっとり。お施主様がお好きなアンティークの調度品が、まるでそのモノのためだけの居場所かのように、空間に溶け込んでいる様子が印象的です。お気に入りのステンドグラスをはめ込んだ建具も素敵ですね。
玄関のニッチや、寝室、トイレにはウィリアムモリスの壁紙をしつらえ、お施主様が所有されているアンティークの調度品と相まって、一層上質な雰囲気に。プランナーがご提案させて頂いた「黄色味を帯びた壁紙」は、空間に温かみを加え、高級感のある雰囲気に仕上げられています。イヤープレートやリビングの間接照明との相性も抜群です。
④【収納は増やしながらも、軽やかに暮らす】
マンションの収納スペースはある程度限りがありますが、必要な場所に必要なモノを収められるよう、収納スペースの作り方を見直しました。玄関に大容量のシューズルームを新設。季節モノや外モノだけではなく、スーツケースなどの大きなモノも収められて重宝しますね。また、たくさんの書籍をお持ちのお施主様。お部屋だけでなく、キッチンからリビングにつながる通路にも、本を収納できるスペースをつくりました。大切なモノを選りすぐって仕舞う。そんな暮らしが実現されています。
お施主様へ伺いました
【今回のリフォームを考えられたきっかけを教えてください】
築30年となり、古めかしい間取りや住みにくさをどうにかしたいと思ったことです。子どもたちが巣立ち、それぞれが個室として使っていた2つの部屋を有効に生かそうという狙いもありました。
【当社にご依頼いただいた決め手を教えてください】
・担当者が信頼できる方たちだったからです。担当営業さんの忍耐力と、プランナーさんのアイデア豊かな提案力に感服しました。我々と価値観を共有してくれたことに驚きと感謝の念でいっぱいです。
・もう一つの決め手は、このお二人が我々の意見、要望を絶対に否定しなかったことです。できるかどうか分からない内容であっても、「その方がいいですよね」「検討させてください」という前向きの言葉が返ってきました。その多くが実現しましたし、結果的に技術的な問題で施工が無理だと分かった場合はその理由を丁寧に説明してくれました。結局、リフォームで売る商品は、「信用」ではないかと思っています。
【今回のリフォームで吟味された内容を教えてください】
・リビングルームとキッチンを一体化させて広いスペースを確保すること。家族、友人が集まったときにストレスのない空間が欲しかったためです。それと、(これまで手狭で不可能だった)ソファを置ける場所を確保することと、風呂場を若干広くして大きなバスタブを入れることです。
【リフォーム中の思い出エピソードをお聴かせください】
・担当のお二人はいつも穏やかな笑顔を絶やさず、何度も相談に訪れたり、我が家に来ていただいたりしたときにも、とても楽しい時間を過ごすことができました。壁紙を選ぶときにはプランナーさんが家人と楽しそうに談笑しているのを見て、とても好印象を持ちました。
・北洲の職人さんの丁寧な仕事ぶりには、大変感謝しております。たまたまリフォーム中は近くの賃貸マンションに引っ越して住んでいたので、毎日工事の様子を見ることができました。これはとても、面白い、愉快な経験でした。毎日、工事の進展状況が確認できるわけで、密かな楽しみでした。
・廊下の壁面に本などを収納できる棚を設置してもらいました。中の色は当初、白の予定でしたが、リビング、廊下の壁と同じ黄色になっていました。それを発見した夜、暗がりの中で目を凝らすと、「張り直します」とミスを報告する張り紙が。。。でも白より黄色の方がいいと判断し、このままでいいと伝えたところ、担当の方が「助かります、ありがとうございます。」怪我の功名というか、この黄色がとても気に入っております。
【完成して住んでみてのご感想や、これから楽しみにされていることを教えてください】
・最も期待していたリビングとキッチンの融合にはかなり満足しています。これまではキッチンだけ孤立していた状態にあり、冬は寒く、夏は冷房が届かず汗だらだらの状態でしたが、快適な環境を確保できています。
・北洲リフォームさん自慢の断熱効果の高い施工は気に入っていますが、夏場はエアコン1つで全室を冷やすのはやや無理があるようです。これは我が家のエアコンの容量が低いためでもあると思われますが、サーキュレーターなどで空気を循環させる必要があります。
・床材の選択が的確でした。これは実際に住んでみて分かったこと。素足で歩いてみると、その気持のいい感覚がすぐ分かります。北洲さんの推薦の床材でした。床など色さえ見ればいいと安易に考えていたことを恥ずかしく思えたぐらい、この床材は優れものです。
・リビングの壁の色(黄色)と壁側にある間接照明は予想を超える完成度です。この組み合わせはベストマッチで、訪れた友人のほぼ全員が褒めます。
・バスタブはタカラスタンダードのホーロー浴槽。我が家は追い焚き設定ができない構造だったので、保温性は重要でした。値段は張りましたが、夏場だと24時間たっても冷めていないほどです。烏の行水だったバスタイムが楽しくなりました。
【これからリフォームを考える方へのアドバイスをお願いします】
・実際には住んでみないと分からない点がたくさんあります。リフォームをして1年以内の人に反省点を聞いてみるのがいいと思います。例えば、我が家の場合はコンセント(電源)の数と設置個所をもっと吟味すべきでした。住んでから「ここに電源があればなあ」と思うことが多々あります。せっかくフルスケルトンでリフォームするなら、そのあたりを徹底的に検証した方がいいと思います。電化製品の配置はとても重要です。
・マンションの場合、致命的に収納が足りません。この課題は、リフォーム完成後も結局、解決できませんでした。リフォーム前よりは暮らしやすくなったのは確かですが、やはり収納に苦労しています。収納を確保する工夫、レイアウトの見直し、大胆な発想の転換が必要なのかもしれない―と反省しています。