断熱・蓄熱・遮熱技術を採用した
実証住宅『プレミアムパッシブハウス』を仙台市に建設
~快適・健康・省エネの視点から、東北大学と協働で環境測定を実施~
「プレミアムパッシブハウス」完成予定パース
住宅メーカー・建設資材販売の株式会社北洲(本社:宮城県富谷市、代表取締役社長:村上ひろみ)は、最新技術の粋を集め、快適・健康・省エネを実証する住宅「プレミアムパッシブハウス」(以下PPH)を、2016年10月31日(月)より宮城県仙台市泉区紫山に建設します。
当社は、省エネルギーに加え、住宅の本質である居住者の「快適・健康」を最優先した住まいの普及を目指しています。PPHでは、機械設備に過度に頼ることなく、建築的な観点である「断熱」「蓄熱」「遮熱」を通じて理想の温熱環境を実現します。断熱には、世界最高水準※1のBASF社(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン、CEO:クルト・ボック)製の無機系断熱材「SLENTEX®(スレンテックス)」などを使用することで、業界トップレベルの断熱性能であるUA値(外皮平均熱貫流率)0.23W/㎡Kを実現しています。また、室温を一定に保つ働きをする潜熱蓄熱内装塗り壁材「エコナウォール25」や、冬期日射取得と夏期遮熱を兼ね備えた窓「パッシブフェンスター」を採用します。
日本では、経済産業省が2020年までに新築戸建住宅の過半数でZEH※2を実現することを目標に普及に向けた取り組みを行っています。他方、世界的にはドイツのパッシブハウスやスイスのミネルギーハウスなど、日本よりもはるかに厳しいエネルギー基準が存在し、断熱性の向上を主とした建物全体における温熱環境が重要視されています。
当PPHの性能評価は、快適性・健康性・経済性・省エネ性の観点から「ZEH Ready40」「Fuel Poverty0」「Asset Value30」という3つの達成基準を元に行ない、環境負荷低減に加え、長期視点での経済的負担の低減と、資産価値を維持できる住まいをお客様に提供します。竣工後は、東北大学と協働で温度や消費電力などの環境測定を行ない、2017年1月に構造見学会を、3月には完成見学会を実施する予定です。
※1 SLENTEX®は、無機系断熱材の中で世界最高水準の性能を有する断熱材です。(2016年10月時点、BASF社調べ)
※2 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅(経済産業省の定義)
PPH3つの達成基準
PPHでは、快適性・健康性・経済性・省エネ性の観点で、下記の達成基準を設けています。
1.ZEH Ready 40
建物の外皮性能(断熱性)を高めることで、省エネルギーを実現します。BEI※3 0.4以下となるように設計し、住宅において消費するエネルギーを大幅に削減します。
※3 BEI;設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量(その他のエネルギーを除く)
2.Fuel Poverty 0
イギリスなどでは年金・収入の10%以上が光熱費に使われてしまう世帯「Fuel Poverty(燃料貧困)」が問題視されていることから、日本においても光熱費が年金収入の5%以下br※4になるようなエネルギー設計を行ないます。
※4 モデルケース(夫婦二人、厚生年金+国民年金)にて試算。
3.Asset Value 30
イギリスなどでは年金・収入の10%設備に頼り過ぎると維持・交換費用が膨大になる可能性があるため、長期に渡り省エネ効果が持続する部材や経年による劣化が少ない部材選びの視点を持ち、30年間のコストを試算のうえ、省メンテナンスで快適性が続く住宅を提案します。
PPHの特長
1.パッシブデザイン(自然エネルギーを取り入れた設計手法)
深い軒 | シンプルな大屋根デザインで深い軒をつくり、日射取得、遮熱、雪除けの役割を果たします。 |
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戸外室 | 深い軒下空間にできる戸外室は、緑を楽しむことができ、外と内をつなぐ空間です。 |
平面形状 | 風をキャッチしやすい形状とし、風の道をつくります。 |
窓 | 日射取得と遮熱は、建物形状に加え、窓ガラスと部材(遮熱網戸・ブラインド)でコントロールします。 |
2.「断熱」「蓄熱」「遮熱」部材
【断熱材】SLENTEX®(スレンテックス)
外壁断熱材として採用したSLENTEX®は、住宅性能の高いドイツで開発された無機系断熱材で、高い耐熱性と耐火性、一般的なグラスウールの約2倍の断熱性を有します。住宅向け断熱材としては、アジアで初めての採用となります。
【潜熱蓄熱材】エコナウォール25
日射熱や夜間冷気を蓄えることのできる内装塗り壁材です。
カプセルに内包された潜熱蓄熱材(PCM)が吸熱・放熱を繰り返すことで、室内の温度変化が緩やかになるため、快適性が向上します。
【日射取得窓+遮熱部材】パッシブフェンスター
日射取得型ガラスの木製窓や樹脂窓を採用し、冬期の日射を有効活用する一方で、遮熱効果のある網戸または外付けブラインドを併用し、夏期は窓の外側で日射を遮ります。
PPHの概要
建築主 | 株式会社 北洲 |
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建築地(地番) | 宮城県仙台市泉区紫山1丁目82番2 |
構造・階層 | 木造枠組壁工法(外壁ツーバイシックス)・2階建 |
建築面積 | 84.22m2(25.42坪) |
延床面積 | 144.04m2(43.48坪) |
設計・施工 | 株式会社 北洲 |
環境設計監修 | 室内気候研究所 主席研究員 石戸谷 裕二(工学博士) |
環境測定協力 | 東北大学大学院工学研究科 小林 光(工学博士) |
工期予定 | 2016年10月31日~2017年3月上旬予定 |
サイト | https://www.hokushuhousing.co.jp/lp/passivehouse/ |